by Raymond Franz (with topical and Scriptural indexes), translated by Hisashi Higuchi,
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著者はエホバの証人三世として60年間活動を続けた。最後の9年間は「統治体」のメンバーだった。そこでの経験が「良心の危機」をもたらしたのである。この宗教団体内部でいかに物事が決定されるかが、生々しく、ありのままに語られる。本書が書かれたのは1983年だが、この版では新資料も追加され、昔も今もパターンは同じであることが明らかになる。初版発行以来、問題の本質はまったく変わっていない
キリスト者の自由を求めて
(2007年改訂第2版)
自由は、真のキリスト教にとって極めて重要である。キリスト者の自由の侵害が最初の数世紀にどのように始まったか、今日でもどのように起こり得るか、個人の良心と思想がむしばまれるのを防ぐ手段とは。『良心の危機』の続編。組織への忠誠、個別訪問の活動、排斥、血、その他多くの教えを論じる。
聖書の読み方、理解の仕方は一通りではない。物の姿かたちを正確に知るには「群盲評象」の諺どおり、一部分だけではなく全体を見る必要がある。この事は聖書研究においても同様で、ある宗派の解釈を聞き、一通り学んだだけでそれが真実であると結論する間違いをしない最善の方法は、異なる考えに耳を貸すことである。本書はエホバの証人が熱意と信仰を抱いて世界的に広めている教えの信憑性と、その主張の根拠を検証すると共にエホバの証人の教えに対する異論また証拠に基づく反論を提起している。この訳をお読み下さる方は、双方の言い分を間き、証拠を調べた上で心証を形成する裁判官と同様な立場にある。客観性がなく、自分だけが正しいと思っている独善、権威を絶対視して無批判に従う権威主義に捕らわれているのは「大海を知らずにいる井の中の蛙」と同じであり、「知らぬが仏」の座に安住しているのは誤謬を犯す危険と隣り合わせではあるまいか。批判的思考力を働かせることによって信仰の根拠を自ら確かめる一助にして頂けるならば望外の幸いである。
―訳者あとがき